伝わりやすいデザインとは?
【前編】
2015年8月13日
カテゴリ: 大人の自由研究
前回はサイズについて研究しましたが、限られた広告スペースの中でのデザインは重要です。
色を多用したり有名人を起用することは確かに注目度は高まりますが、デザインにこめられたメッセージが伝わらない事には「なんの広告??」と、疑問符が浮かぶばかり。
では、交通広告での「伝わりやすいデザイン」とはどんなものでしょう?
ポイント①:距離を考える
デザインを作成する場合、実際の出力がB3サイズや3m×4mなどがありますが、パソコン画面上に実寸で全体像を表示させることは不可能です。「屋号、サービス内容、電話番号、地図、営業時間、店内写真、求人募集・・・」と、入れたい情報はたくさんあれど、情報量が多いほど一つ一つが小さくなるのは当然。
「ちょっと詰め込みすぎだけど、実寸は大きくなるし見えるでしょ」という考え、実はNGなんです! 縮小された画面と作成者との距離はせいぜい60~80㎝程度でしょう。印刷されたものが大きくても、実際に掲出されたものから1m以内で見る機会は少なく、掲出位置を考えると小さく見えるのは当然です。
例えばこんなデザイン。下図が、目視でB3ポスターを1.5m離れた時の大きさとします。
この大きさであれば、細かな文字まで読み取る事ができます。
では、3m離れるとこの大きさに。
上下の青帯や名称は見えますが、地図や診療時間などの細かな字はかなり読みにくくなりました。
さらに 5m離れると、
はっきりと見えるのは名称ぐらいでしょうか。「文字や写真がある」という認識しかできないレベルです。
このように、PC上や、出力した紙を近距離で見る分には問題なくとも、離れて、実際の掲出位置から見える大きさを考えると、情報量や配置を考え直す必要があるのは一目瞭然。
車内のステッカーから、ラッピングバスや屋外看板まで、交通広告のサイズは様々。全てのメディアが同じ内容でデザインしてしまうと、せっかくの広告が台無しです。
メディアの見え方を踏まえたデザインこそ、「伝わりやすいデザイン」になると言えるでしょう。
次回は情報量について研究したいと思いま~す。