インターサイズとまど上の密接な関係
2018年11月26日
カテゴリ: OOHメディア探訪記
まど上広告のサイズを解析
電車だと網棚上、バスであれば座席上に位置している「まど上広告」。電鉄によっては“車額”とも呼ばれています。車体上部の形状に沿い、また乗客からも見えやすいようにカーブ状に掲出されています。
このまど上広告、車両の形状によっておおよそ2つのサイズがあるのをご存じでしょうか?
ひとつは「B3サイズ」。B判(B判とは何か?という方はコチラ)は駅ばりポスター(B0、B1、B2)などでも広く使われており、交通広告を含むポスター等の標準的な国内規格です。
一方で「インターサイズ」という名称は、ほぼ交通広告でしか使用されているのを見たことがありませんがなぜでしょう?
その謎をひも解いていく上で、まずはサイズを比較しました。
ご覧のように横幅は同じですが、縦幅が若干短いのが特徴です。インターサイズが生まれた背景には、当時の車両サイズを踏まえ、当社が深く係わっている事を知る人は多くはありません。
昭和23年生まれのインターサイズ
戦後間もない昭和23年(1948年)、まだ銀座線という名称がなかった時代に、帝都高速度交通営団(現 東京メトロ)車両内で網棚上は広告枠としての活用をしていませんでした。この場所を広告スペースとして発案し「まど上」という広告メディアを誕生させたのが、弊社の前身であるインターナショナル宣伝株式会社です。
「銀座線」の名称がついたのは、インターサイズの誕生から5年後の昭和28年(1953年)でした。
網棚上のスペースに合うサイズとしてH280㎜×W515mmのポスターが誕生し、社名に因んで「インターサイズ」と呼ばれるようになりました。現在ではB3サイズで掲出する車両はJRをはじめ多くありますが、2016年で御年68歳のインターサイズポスターは、東京メトロを皮切りに全国的に採用され、交通広告業界では広く認知されています。
インターサイズとまど上との関係
車両の形状からB3サイズより縦幅を短くした経緯がある為、インターサイズはその他のメディアで取り扱われることはほぼありません。首都圏の主な電鉄のまど上広告の内、インターサイズを採用しているのは【東京メトロ・都営地下鉄・東急・小田急・京王・西武・京急・相鉄・横浜市営地下鉄・多摩モノレール・ゆりかもめ・つくばエクスプレス】であり、その他地域を含め多岐に亘っています。
B3サイズは中づりやドア横ポスターでも採用されている一方、インターサイズはまど上以外のメディアでは見かけない事から、切っても切り離せない密接な関係と言えるのです。
【おまけ】 まど上を引き立てる、縁の下の力持ち
まど上広告を掲出する際、ポスターを固定する方法は主に 「フレーム式」「バンド式」の2種類があります。
フレーム式は、ポスターの上下をフレームに差し込んで掲出する方法です。
ポスターだけでは紙が薄く落下の恐れがあるため、厚手の紙をポスターの裏に貼り補強します。これを「裏貼り」と呼びます。
(青色のポスターがデザイン面)
上下のフレームは15~20mm程でしっかりと固定でき、バンド式と比べフレームに隠れる部分以外は意匠面を妨げるものが無いのが特徴です。
一方バンド式は、ポスターの左右を固定し掲出する方法です。
透明アクリルを使用するので、ポスターサイズをフルに使ってもほぼ隠れる場所がありません。
主にJRやバス会社が採用しており、左右でしっかりと固定する分、裏貼りなしで掲出ができます。
裏貼りやフレームといったなかなか目を向けない所でも、まど上を引き立てる役割をしっかりと果しているのです。
【さらににおまけコーナー】 まど上広告って実際どうなの?
まど上広告には以下のような特徴があります。
・2~3日掲出の中づりと比べ期間が長く、4~5日から2週間・1ヶ月単位で掲出が可能
・長く掲出をすることで、「反復効果」(繰り返し訴求をすることで認知度を高める)が期待できる
・他メディアは複数路線セットが多い中、路線ごとに掲出ができエリアセグメントがしやすい
・B3~インターサイズと広告面が大きく、情報を多く載せられる
・ワイド(2面連続)~ダブルワイド(4面連続)といった使い道もでき、車内でもスケール感を演出できる
などなど。多彩な使い道があるまど上広告のお話でした。